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L’école du Vin × Gentil H新・大航海時代 第7回 ~和魂洋才編~
左から当企画主任の太田講師、ナビゲーターの高橋、Gentil H平野シェフ。
5月、白金台のGentil Hにて“世界で活躍する日本人醸造家”をテーマに世界各地の日本人が造るワインのペアリングを愉しむコラボレーションイベントを開催しました。
ナビゲーターを務めさせて頂いたのは私、高橋。遡ること年明けにお話を頂き、どんなテーマで開催しようかと悩みつつ、以前からいつか特別授業をしたいと思っていたこのテーマを選びました。
私が“世界で活躍する日本人醸造家”に興味を持ったのは、まだ私がワインの勉強を始めて間もない頃。ご近所のレストランで頂いた、あるワインに衝撃を受けたから。
こんなに美味しいワインをニューワールドで(今思うと勉強不足でお恥ずかしいのですが笑)、しかも日本人の方がワインに魅せられ移住し造っているワインだなんて、なんて夢があるのだろう…このワインはこの方の人生そのものなのだな、と。
それからその方の大ファンになり、来日イベントに何度もお邪魔しました。そして魅力的な日本人醸造家たちのワインをもっと知ることとなり、今回の開催に至りました。
“世界で活躍する日本人醸造家”をテーマにナビゲートする高橋
ドイツ Bernhard Koch 坂田千枝氏が造る2021 Riesling Extra Brutで乾杯。
酢橘など和柑橘を感じさせる繊細で伸びの良い酸が心地よい。稚鮎のフリット 胡瓜とリンゴのガスパチョと酢橘のエアと。瑞々しくチャーミングな果実味とほろ苦さもぴったり調和します。
今回の目的は素晴らしい醸造家さんたちのストーリーとワインをご紹介することと、もうひとつ。それはワインが世界各地で造られながらも、繊細でどこか日本人らしい丁寧さや故郷への想いが味わいから感じられるということを体感して頂くこと。和柑橘や和のハーブやスパイスのようなワインの香りが、旬の和の食材をふんだんに取り入れた平野シェフのお料理と相まってより味わい深く感じて頂くことができたと思います。
最初の白ワインは南アフリカの佐藤圭史さん。ブランド立ち上げ5周年を記念したスペシャル・キュベで生産量はわずか1,600本。シュナン・ブランを主体とし、柑橘や生姜、ハーブの香りが多層的に香る和食にも親しみやすい魅力があります。
さらに今回は特別に日本酒とのダブルペアリングでご用意。ハワイで高橋千秋さんが醸すIslander sake brewery純米吟醸を友人に頼み現地ハワイで仕入れてきました。日本のお米をルーツに持つカルローズ米を美しい自然に囲まれたハワイの豊かな水で造る、南の穏やかでトロピカルな風を感じるお酒。会の後には「ここで飲んだのをきっかけにお取り寄せしました!」という嬉しいお声も。
2021 Cage Cape White Blend Cage Wine / 佐藤圭史氏 南アフリカ
フォアグラのフォンダンと日向夏 生姜とバニラの香る百合根のグラッセ
2022 Junmai Ginjyo “Calrose” Islander Sake Brewery / 高橋千秋氏 米ハワイ
言わずと知れたSimon Bize & Filsのビーズ・千砂氏。仏ブルゴーニュ。
2018 Savigny Les Beaune Blanc
そしてメインディッシュには私がこの会をナビゲートさせて頂くに至ったワイン、ニュージーランドのSato Wines。2020 La Ferme de Sato Sur Les Nuagesは佐藤嘉晃さんと恭子さんのご夫妻にとって自社畑2年目のヴィンテージは口に入れた瞬間、森林に足を踏み入れたかのようなひんやり感。セントラルオタゴらしい色濃く濃縮感のあるチェリーやプラムの果実味と心地よい酸が続きます。Sur Les Nuages=雲の上。その名の通りクロムウェル盆地にかかる湖の霧を見下ろす標高の高い畑で、ひとつひとつ手作業で自然と共に造られたワインには滋味深さをも感じます。
2020 Sato wines La Ferme de Sato Sur Les Nuages /佐藤嘉晃氏、恭子氏 NZ
2021 Noria Pinot Noir Sangiacomo Vineyard Sonoma Coast Nakamura Cellars/中村倫久氏 米ソノマ
同じ品種の産地や作り手による味わいの違いを愉しんで頂きました。
イベリコ豚プルマの味噌漬け、蕗の薹とエシャロットのチャツネとともに
ジョンティ・アッシュで家庭料理的でもある豚の味噌漬けを頂く幻の機会。プルマという赤身で旨味の強い希少部位を使って。ワインと味噌の発酵のもの同士の相性もよく、蕗の薹のほろ苦さが味わいを引き締めてくれます。
2021 Riesling Extra Brut Bernhard Koch /坂田千枝氏、2021 Cage Cape White Blend Cage Wine/佐藤圭史氏、2022 Junmai Ginjyo “Calrose” Islander Sake Brewery/高橋千秋氏、2018 Savigny Les Beaune Blanc Simon Bize & Fils/ビーズ・千砂氏、2021 Noria Pinot Noir Sangiacomo Vineyard Sonoma Coast Nakamura Cellars/中村倫久氏、2022 Late Harvest Sauvignon Blanc Folium Vineyard/岡田岳樹氏。(生産量600本に満たない貴重なデザートワイン!)
この会を開くにあたり太田先生、平野シェフ、スタッフの方々はもちろんのこと、SatoWinesの佐藤さんやCage Wineの佐藤さん、梅田校長、レコール先生方にも大変お世話になりました。そしてお越しくださった皆さま、どうもありがとうございます。
この会の様子は動画でInstagramでもご覧頂けます。
https://www.instagram.com/reel/C7K4HUMSnZz/?igsh=MTl2Nzg0NnJndmE0dA==
さてレコール講師が各々持ち込み企画で毎月第3金曜日に開催してきた当コラボレーションイベント。9月からは通年テーマを“Platinum Session”としてワイン業界で活躍する様々なゲストをお招きして開催しております。
次回10月は『アンチエイジング』。
ナビゲーターは、抗加齢(アンチエイジング)医学の第一人者であり、日本でただ一人の現役ソムリエドクターとしても知られる青木晃渋谷校校長が務めます。
10月18日(金)
昼の部 12:00〜 ¥25,000
夜の部 19:00〜 ¥30,000
会場 『Gentil H(ジョンティ・アッシュ)』
詳細およびお申込みは当校HPまたはInstagram、gentil Hの食べログにてご覧頂けます。皆さまのご参加をお待ちしております!